住友重機械建機クレーン株式会社 ムービー制作(2019)
2019
担当:コンセプト策定/アートディレクション/コピーライティング/オフライン編集 工数:3人月
大型のクローラークレーンを製造している建設機械メーカーの住友重機械建機クレーン。 サイトリニューアルのデザインを担当させていただいてからのお付き合いであるご担当者から「ブランドムービー刷新の話が出てきている。御社では動画制作を手掛けていない認識だが、住友重機械建機クレーンのことをよく理解してくれているため、やってみないか」と声掛けいただきました。動画制作自体の経験はありませんでしたが、新しい経験になると思いコンペに参加。「ブランドムービー」「工場紹介」「歴史紹介」の3本の動画を制作することになりました。
当初クライアントがイメージしていたのは、経営方針や社員数、拠点などの機能的な情報を中心とした会社紹介動画でした。しかし、議論する中で必ずしも機能的な情報を動画に盛り込む必要性はないと気づきました。その結果「機能的な紹介」は更新が容易なプレゼン資料に任せ、動画は「想い」にフォーカスした情緒的な内容で構成することになりました。
「想い」にフォーカスする際にインナーブランディングも狙う形で、あえて自社のブランドステートメントの言葉をベースにストーリーを構築していきました。ステートメントを浸透させることはなかなか骨の折れる課題ですが、動画を通じて社員たちが無意識的に自社のステートメントを認知していく効果が生まれました。
私自身この規模の動画制作は初めてでしたが、ストーリー構成から絵コンテ、ナレーション原稿、撮影後のオフライン編集まで担当しました。動画撮影、オンライン編集はビデオグラファーにコンセプトを提示した上で、それを実現するための撮影技法を積極的に取り入れていきました。また音楽はストック音楽ではなく楽曲制作を依頼。クレーンの機械音をうまく使ってもらいながらコンセプトに沿って制作してもらいました。
ステートメントを基に情緒的に肉付けしたナレーションと、社員の皆様の表情からリアルな想いを感じてもらえる映像に。
ナレーション原稿
吊り上げて、 移動して、下ろして。 また吊り上げて、 移動して、下ろす。 クレーンは古来より重い物、大きなものをつり上げ、移動させてきた。 それは、人々の住まう場所を作り、街を作り、国を作り、文化と歴史を創る一歩となる。 進化を続ける世の中に、クレーンは必要不可欠だ。 だから私たちは常に新たな一歩を踏み出していく。 世の中をより良くするために、 今このときも頑張っているお客様の力になるために。 これまで私たちが培ってきた、安心と信頼。 新たな価値を生み出す独創的な技術とノウハウ。 人の思いに寄り添い、応える熱意をもって。 それぞれの力を結集し、 クレーンのエキスパートとして高品質な製品を丁寧に作り上げる。 そして、お客様と共に、未来を、そこに集う人々の夢をつり上げたい。 だから私たちは、届けることを約束する。 HSC Cranes
読後感として未来への期待が膨らむような構成を意識して構成。また、単なる事実の羅列ではなく、当時の状況や背景、人々の思いを伝えることを重視し、プロジェクトXのようなストーリー性のある構成を心がけました。
ナレーション原稿
人間では到底持つことのできない大きなものを吊り上げ、 移動させることができるクローラクレーン。 「これは社会を、未来を作っていくために絶対欠かせない存在だ」 そう信じ、戦後復興の真っ只中、住友と日立はクレーンを作り始めました。 それぞれが技術を磨き、数々の革新的なクレーンを次々に世に送り出します。 住友と日立はクローラクレーン業界をリードし、 日本の経済成長をお客様と共に支えて続けてきました。 建機業界が不景気で需要が厳しい状況に陥った2002年、住友と日立は手を結び、「日立住友重機械建機クレーン株式会社」としてスタートを切ります。 それまでライバルだった私たちは、お互いを理解することに苦労しながらも、クローラークレーンのNo.1メーカーになることを目指し、気持ちをひとつにまとめていきました。 開発、営業メンバーわずか80名のみで構成された設立当初、それぞれが持つ強みを結集し、「シンプル」「洗練」「安心」をコンセプトに新たな機種を開発。 その後、開発、生産、営業、サービスを一体化し、400名を超える強力な体制を築いていきました。 先行きが見えづらい建機業界の中で、安定した経営のもとに、常にお客様の期待に応える最高のパートナーでありつづけるためには、既存の概念に囚われず、新たな価値を生み出しつづける必要がある。 そう考えた私たちは、あらゆる部門のスタッフで構成されたチームを結成し、立場を超えた議論ができる環境を構築。 部門横断型で開発を推進することにより、企画から設計・調達・製造・販売までの全行程の手戻りを少なくし、開発の効率向上を図る方法を取り入れ、お客様の期待に応えたクレーンを生み出していきました。 様々な独創的な取り組みは、お客様からの高い評価だけにとどまらず、数々の賞を受賞することにつながります。 多数の機種が機械工業デザイン賞の「審査委員会特別賞」や「にっぽんぶらんど賞」を受賞。 2017年にはSCX3500-3が機械工業デザイン賞の最優秀賞である「経済産業大臣賞」を受賞。 さらに、2018年にはSCX-3シリーズがグッドデザイン賞を受賞しました。 そして、住友と日立が手を結んでから15年の時を経て、私たちは次のステージへ進みます。 設計・製造から販売、サービスまでのソリューションを、グローバルに提供するクレーンのエキスパートとして、より一層お客様に満足いただけるよう、 2018年4月より社名を「住友重機械建機クレーン株式会社」に、 ブランド名を「HSC CRANES」とし新しいスタートを切りました。 「HSC」には、 「High-quality-高品質であること」 「Satisfaction-常にお客様の期待を満たすこと」 「Confidence-信頼の絆を強めること」 という私たちの決意が込められています。 世界の人々の暮らし、文化と社会の発展のために、私たちを必要とする全てのお客様とのつながりをより強くし、世界のお客様に最高の満足をお届けしていきます。 クレーンのエキスパートとしてさらに進化する「HSC CRANES」にご期待ください。
社員の皆様に協力いただき、どういったことを意識しながら作業されているのか事前にヒアリングした上で一緒に原稿を作成。辿々しい部分もあるが逆に言葉に重みが感じられ、感情移入できる構成になりました。
動画制作未経験の不安を払拭するために、各ムービーのコンセプトと各表現の方向性が具体的に掴めることを意識して作成しました。結果的にムービーの視点だけでなく俯瞰視点も伴った提案内容と、他社よりもイメージが掴めてワクワクしたとの評価をいただき受注することができました。
提案資料


















